IDEA

「みんなの畑」でスローライフ

ベジフル発酵ダイニング
宮原 聡子
22歳で料理の恩師に出会い、日本だけでなく世界の料理・食文化に衝撃を受け「桧山タミ料理塾」にて弟子入りを目指す。その後、太陽の光で目覚め自然のリズムで生きる海外での生活や温かみのある暖炉のある生活も経験。帰国後、ブライダルの仕事に関わりながら、日本の食文化、発酵食、酵素栄養学、ファスティング理論、ローフード等を学び続ける。その間の自身の病気の経験も糧に、現在人々に「心の底から安心して健康で幸せな人生」を歩んで頂ける場所として『自然と豊かな食と人との繋がり』を感じる場を作るべく活動中。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

「月1回の里山暮らし体験」と「畑の学校『みんなの畑』」でスローライフを楽しもう!と呼びかけるビジネスは、街中に住んでいても「自然から力を貰い、都会で頑張れる」理想の生活を、手の届くところから始められる、里山暮らしの サブスクリプション型サービスです。

京都市京北町の『みんなの畑』に来れば、誰でも「自然と豊かな食·人との繋がり」を感じることができます。土に触れあい、採れ立ての野菜を食べ、薪を使って料理をする。これらの体験は子どもから大人まで、人間本来の機能や喜び、豊かな感情や大切な五感を呼び覚ますことができるでしょう。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

この事業は、都市で頑張るビジネスセクターの方々や、一度は田舎暮らしを考えたご夫婦·ファミリーを対象としています。普段は街中で暮らしつつも…時に自然に身を置きたい·畑や食べ物の事をもっと学びたい時、子どもを自然に触れさせたい時、心底安心して癒される場所を求めている時に、ふらっと京北の『みんなの畑』に来られるよう「定額制」と「従量課金制」のプログラムを用意する予定です。

「仕事以外の人との関わりを持ちたい、安らげる居場所を作りたい」という方にも、心から落ち着ける第二の故郷の様な場所を一緒につくれたら。そんな気持ちで温かく迎えられる「シェア畑」と「里山暮らしの一日体験」を合わせて運用していくイメージですね。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

一つ目は、畑の学校『みんなの畑』です。4か月サイクルで、みんなの畑をみんなで保有します。日頃の手入れをしにくい皆さんでも、日々の畑の管理は「プロの農家さん」にお任せできますし、事前連絡をいただければ訪問も自由。節度を守ってくだされば、その時に収穫可能な旬の野菜を持ち帰れます。また、農家さんに色々教わりたい方は、時間を合わせて畑のアレコレを教えてもらうこともできます。自然の恩恵で野菜が実れば、皆で収穫を喜び分かち合う「野菜ボックスの配送」も行う予定です。

二つ目は、1回の里山暮らし体験です。みんなの畑では月1回の共同作業日があり、手入れ後には「料理家とつくるご褒美農家メシ」を青空の下でみんなでいただきます。採れ立て野菜の味を知り、互いに語らいながら里山暮らしを体感できる、休日の新しい過ごし方を提案。プランは季節毎に異なり、学びや体験、そして何より心に残る思い出や余韻づくり、を重視ます。その時期の野菜やハーブをふんだんに使い、炭火や薪を焚いて、ここでしか出来ない本格窯焼きのピザや田舎メシを一緒に作りましょう。

三つ目は、サードプレイスで『人と触れ合う軌跡』です。里山の暮らしを垣間見たり、都市と田舎の生活のどちらも大切にしたり、人との触合いも楽しみたい。里山でこれから何かを始めたい、深めたい。どんなリクエストでも大歓迎。あなたやご家族の夢や希望を、一緒に現実にして行きませんか? そんな事まで出来る、場づくり·時間づくりをしていきます。和気あいあい·のびのびとした雰囲気の中で「自分らしさを取り戻すサードプレイス」、初年度の計画では「ツリーハウスとハンモック村づくり」の構想もありますよ。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

自分自身がそうだったように、現代は忙しい時代·自然を求めだした時代だからこそ、日常から癒されて解放感を味わえる「自分のもう一つの居場所を見つけて欲しい」と考えました。里山に暮らす人々との繋がりができ、仕事として京北と街中を行き来するようになったある日、自分が「休日として」京北町を訪れた時に感じたコトそのものが、アイデアの原体験となっています。

私が仕事でお野菜を分けてもらっている農家さんを訪問し、菜園で野菜やハーブをその場で収穫。土や緑の香りが本当にみずみずしい味わいでした。また、そのお野菜を民宿に持ち帰り、庭で火を焚き、薪をくべ、ゆっくりと料理する…。青空の下、採れ立て野菜でごはんを作り、火を囲んで食事を楽しみ、コーヒーを飲みながら夕暮れまで過ごした時、改めて里山の豊かな暮らし方を見つめ直すことができた。何もしない贅沢で豊かな時間を感じたのです。

なんだか心身が澄み渡り、「明日からまた頑張ろう!」という気持ちが湧きおこりました。その心地よい余韻は1週間近くも続いたので、これを沢山の人と共有したい·伝えたい!、と考えるようになりました。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

価値観が多様化する中で、ようやく、本質を見つめたり自然に目を向けたり、本物を見抜こうとする世の中になってきたように感じます。予期せぬ事が続く時代でもありますが、そんな中でも自分の心を落ち着け、普段の暮らしに癒しを求め、ゆとりの気持ちを持ちたい!と考える人も増えている。働き方改革をはじめ残業無し、自宅勤務、週休3日制なども検討される中で、改めて、ご自身やご家族の時間の使い方を捉え直す人々も多いのではないでしょうか。

すぐには街中での暮らしを変えられないからこそ、休日には自然から力を貰いたい。普段は自分や家族のために料理を作っている方たちも、『みんなの畑』では非日常に身を置いて、繋がりの中から明日の活力が生まれたら。ここが、心も体も満たされて自分が自由になれる「サードプレイス」となれたらと思っています。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

プログラム開始時点での事業案は、自分の原体験を形にしたい、という願いからのスタートでした。
メンタリングの初回は「ベンチマークすべきところの調査」、「お客様となり得る方々への意見収集」にも助言をいただき、次第に「B to B」の可能性も視野に「ターゲット層の検討」や「時代を意識して共感が生まれやすい言葉の開発」についてもアドバイスをいただけました。

本プログラム終了時には、この場所が「学び、体感、癒し、繋がり」を感じられる場所として、現実味を帯びてきました。また私の原体験「自然·豊かな食·人との繋がり」が、お客様にも体現できるよう今後の展開もイメージが鮮明になり、今の時代に必要なビジネスだとも確信しました。

KOINコーディネーターの皆様が、毎回高い視座で、私の気付かない必要なテーマを定義していただいたことで、見えてきた事も多くありました。当初目標としていたスケジュールにも沿って、着々と実行できていることに感謝しています。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

自然·豊かな食·人との繋がりによって癒されるような、自分を取り戻せる場所を作りたいと思っています。現在、春以降に向けて、事業企画·サービスプランを確定し、世の中へ発信するタイミングです。この企画のステキさ、価値が伝わる言葉、手に取れるモノや手段を整えます。そして、ビジネスアイデアに興味を持たれた方や里山を訪れたい方、田舎暮らしに憧れたことがある方、ただただ美味しく楽しみたい方々へ、誰もが行きたい!と想ってもらえるような場所づくりを目指します。また一度行った方が「そろそろ、また行きたくなった」と気軽に連絡いただける仕組み作りも頑張ります。

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