IDEA

グランディーユラボ

株式会社グランディーユ
小笠原 恭子
「誰もが働きやすい社会をつくる」ことをミッションに、2014年株式会社グランディーユを設立。同年7月にカフェメゾンドイリゼをオープンし、働きづらさや生きづらさを抱えた方々の働く場所をつくる。今春京都にて2号店がオープン。飲食を通じて食の楽しみや働く楽しみを社会に伝えたい。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

ビジネスのタイトルは「グランディーユラボ」。キャッチフレーズは「皆がここで働き続けたいが叶う」です。

ここでずっとずっと働き続けたい!そんな職場があったら、なんと幸せだろうと思います。障害者やニート、ひきこもり経験者など、生きづらさや働きづらさを抱えている方々の、働き続けたいという願いが叶う職場をたくさん作っていきたい。それもほんの少し、視点を変えて社内の環境づくりをするだけで、持続可能なものとなります。グランディーユラボは、生きづらさや働きづらさを抱える方々を中心とした組織づくりをしてきた弊社のノウハウを通して、雇用の機会・ステップアップの支援・職場環境の整備を京都から広めていくプロジェクトです。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

法定雇用率の義務付けや人材不足により障害者や働きづらさを抱えた方の雇用も増える一方、離職も多く、「突然来なくなった」「どう指導すれば良いかわからない」などこれまで色々な相談をお受けしてきました。多くの相談から共通する課題を整理し、グランディーユが大切にしている5つのメソッドとしてまとめました。そのメソッドを学ぶ研修会を開講し、講義やそれに続くハンズオン支援を通じて、働きづらさを抱えた方までもが「ずっと働き続けたい」職場づくりを実現します。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?
1つ目は、やりがいやワクワクを職場につくり出すこと。障害者でもニートや引きこもり経験者でも、職場で楽しくやりがいを持って働きたいと思うのは、みんな同じ。採用がゴールではなく、働く中で必ず訪れるステップアップの時に、どう周りや支援者・企業が関われるか?を考えることで離職率は下がります。単純作業で終わるだけでなく、ステップアップできる仕組みを社内につくり、誰もがやりがいを持ちワクワク働ける企業にしていきます。

2つ目は、一人ひとりの価値を社内に、社会に生み出すこと。職場環境の整備で重要なのは、その人の価値を社内にどう生み出し、居場所をつくるかではないでしょうか。一人ひとりの価値ってなんだろう?と、そこから一緒に考えて、生きづらさや働きづらさを抱える方々の、働く上での強み弱み、力を出し切れる仕事の細分化・仕事量を一緒に設定していきます。この人だからこそ!という価値をつくりだしていきます。

3つ目は、働き方フランチャイズ!各人のベストパフォーマンスを出す仕組みづくり。そうは言っても、利益を追順しなければ雇用がストップしてしまい、雇用する側とされる側の双方に、残念な結果になってしまいます。弊社では働きづらさを抱える方々だけでチーム編成を行い、1つの業務を全て行っています。それを可能にし、各人がベストパフォーマンスできる仕組みづくりを一緒に考え、業務にも落とし込んでいきます。働き方の多様性や各人のベストパフォーマンスが出し切れる仕組みづくりを、提案していきます。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

ここで働き続けたいを叶う社会にしたい!

働きたいけど働き場所がない障害者やニートひきこもり経験者の方々が、日々私たちの元にやってきます。一方で、企業は人材不足で悩んでいたり、社会貢献の言葉も相まって働きづらさを抱える方々を雇用したいという企業も増えてきたように感じます。しかし相変わらず、雇用したけど、コミュニケーションや業務内容のミスマッチングなどから、うまく定着せず離職が続き、さらに雇用に対して消極的になるという悪循環も存在します。

もっと支援の仕方があるのに伝えきれていなかったり、伝わらなかったりと、もどかしい思いをしていました。今回のプロジェクトでは、雇用者と採用者の課題を解消し、次のステップに進める支援をしたいと思っています。雇用者は社員の力を出し切って欲しいし、採用者も会社に貢献したいと思っていますので、弊社が間に入り、双方がベストな関係になるよう支援していきます。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?
人材不足が叫ばれ、障害者やニート、ひきこもり経験者であっても、働きたい気持ちがある人であれば雇用していく時代になってきているのではないでしょうか。特に障害者に関してのみ言えば、法定雇用率の義務付けもあり様々な企業で雇用は進んでいます。

そんな中、「雇用したけど突然来なくなった。」「何をどう伝えたらいいのかわからない」といった従来からの相談のほか、「彼らのステップアップをどう支援したらいいのかわからない」「単純作業・同じ仕事をお願いしていていいのか」といったキャリアプランに関わる相談がとても多くなりました。これを機会と捉え、「働きたい・働き続けたい」を叶え、企業と働く側のwinwinの関係を築くために、弊社の培ってきたノウハウを提供しながら伴走していきます。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?
障害者やニート、引きこもり経験者など多様な人材を雇用したい、雇用している企業がどこに課題を感じているかを知る機会をいただきました。特段、弊社の強みは障害者雇用をされて数年経っている企業に対して、ステップアップしていく多様な人材に対しての支援でした。ステップアップする社員を企業はどのように支援するか。キャリアアップの段階的な設定を弊社のモデルを通じ支援していきます。企業にとって即戦力となる人材を育成すること、さらには雇用から数年経ちステップアップしていく社員とそれを支える会社に対して、私たちのノウハウを提供して行う、包括的な支援が見えてきました。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

今回のプログラムを通じて「グランディーユが大切にしている5つのメソッド」の外枠ができ上がりました。あとは細かく頭の中にある事例を落とし込んでいくだけです。このメソッドを、定期的に勉強会研修として広めていきながら、最初に多様な人材の雇用理解を進めていくこと。次に、その後個別対応ができるハンズオン支援を用意し、個別のサポートを強化していくこと。そして将来的にはオンラインサロンを開設し、いつでも世界中からでもアクセスできる場をもちたいという3つの展望が見えてきました。

国内外から多くの方が訪れる京都で、今春オープン予定の実店舗を運営しながら、多様な人材を雇用する良さや強みを、世界中にアピールし、当社のメソッドの強化・広報していきたいと考えています。今までにない新しい働き方や働く上でのマネージメントを『働き方フランチャイズ』(商標取りました!)として、全世界に京都から発信していきます!

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