シェアハウス×ゲストハウス×介護事業
──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?
ビジネスのタイトルは「シェアハウス×ゲストハウス×介護事業」。キャッチフレーズは「誰もが安心で幸せになるために」です。
主に生活や就労が難しい困りごとを抱えている方々が助け合いながら暮らして、働くことで幸せを感じ、介護が必要であっても安心して過ごせる場所としてシェアハウスとゲストハウス、介護事業の複合施設を作ります。
──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?
障害者や片親、高齢者、難病者、児童養護施設出身の方などは、一人で生活が難しく、就労が困難です。
シェアハウスでそれらの方々が一緒に暮らし、困りごとを補いあうことで、生活することができるようになります。
ゲストハウスではリビングをシェアハウスの方と共有することで、観光客の方は日本の生活を肌で感じることができます。また介護事業を入れることで、介護の必要な方にも安心して生活してもらうことができます。
──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?
1つ目は、主に困りごとを持っておられる方々のシェアハウス。困りごとを補い合うことで、それぞれ自立した生活ができるような環境をつくります。
2つ目は、住民と関わるゲストハウス。リビングをシェアハウスと共有することで、観光客は日本の生活や文化を肌で感じることができます。また、日本料理教室や農業体験、林業体験、木工教室などイベントを行い地域との交流を密に行うことで、観光客の満足度が上がり、また地域の活性化にも繋がります。それらの仕事はシェアハウスの住人が行い収入を得ます。
3つ目は、介護事業。重度の障害や高齢により介護の必要がある方には、介護サービスを受けてもらえるようにします。最期まで安心して暮らしていける場所を作ります。また、その仕事はシェアハウスの住人が行い収入を得ます。
──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?
2007年長男がダウン症で生まれました。また、左手の指が欠損していました。現在12歳(中1)になりますが、知的障害と身体障害を抱えたこの子がどうなったら幸せになれるかを考え続けてきました。ずっと、この子よりも長生きしてやろうと考えていましたが、障害者の親だけがなぜ子供より長生きしなければならないのかという疑問にぶち当たりました。障害者であっても安心して社会で暮らせるようにならなければならないと思いました。
──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?
(京都)中小企業家同友会ソーシャルインクルージョン委員会の活動で、障害者以外にも片親、高齢者、難病者、児童養護施設出身など一人では生活や就労が難しい方がたくさんいることを知りました。これらの方々がどうしたら幸せになれるのか。夜、寝ていたら、ぱっと閃いたんです。困りごとを抱えた方たちでも、シェアハウスなら助け合いながら生活できるのではないか。そして、ゲストハウスを運営し働くことで収入を得ることができれば自立できるのではないか。これが実現すれば、困りごとを抱えている人たちでも幸せになれるのではないかと思いました。
──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?
夢は大きく膨らんだのですが、それをどう実現すればよいかがよく分らない状態でした。相談に乗ってくださっているメンターの牛飼さんが、コンセプト型のシェアハウスを何件か経営をされ、また自身も生活をされているということで、実際ポイントになること、注意しなければならないこと、メリットやデメリットなどを当事者目線で教えていただき大変参考となりました。
──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。
シェアハウス×ゲストハウス×介護事業の複合施設を事業化していきます。
一般社団法人を立ち上げる予定で、場所の選定や住人の募集の他、地域との連携など詳細を詰めていきます。人は誰しも得意な事、不得意な事があります。それぞれの人が持っている困りごとをパズルのピースを合わせるようにお互いが補い合うことで、生活ができ、また働くことも可能になります。また、介護が必要になっても安心して生活し続けられる場所があれば最期まで幸せに生きることができると思います。5年後この事業を成功させて、全国に広めたい。そうすることで世の中にいらっしゃる困りごとを持った方に幸せを届けたい。親が安心して先に死ねる社会を作っていきたいと思います。