IDEA

チーム(中間管理職)のための共感コミュニケーション研修

つながりカフェ sobanomi
正木 智砂
持続可能な社会づくりを事業とする上場企業で組織開発を経験。「誰もが生き生きと働くこと」に興味を持ち探求の道へ。人と人との関係性にヒントを得てNVC(非暴力的コミュニケーション)を学ぶ。2018年から”NVCの学び合いの場”、つながる対話”共感カフェ”を主催。現在は、健康経営の可能性から企業へとその輪を広げる挑戦をしている。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

ビジネスのタイトルは「チーム(中間管理職)のための共感コミュニケーション研修」。キャッチフレーズは「健康経営で生き生き働くチームへ」です。

チーム(中間管理職)のための共感コミュニケーション研修は、健康経営による生産性向上を応援するアイデアです。中間管理職の方が、NVC(NonViolent Communication)というコミュニケーション手法に基づいた、感情面に着目したコミュニケーションの基本構造を体験学習することで、自らの意思で生き生きと働く状況を生み出し、相互に協力し合えるチーム作りを学びます。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

プロジェクトやチームを率いる中間管理職の方が、目標達成のために邁進できるチーム作りを支援します。部下にプレッシャーをかけないように考え、指示ができない状態になったり、メンバー間の競争を促したけれども、共創することが難しくなっていることも少なくないはずです。チーム内におけるコミュニケーションの不安に対して、NVCというコミュニケーション手法を体験的に学びます。学習後も自分たちで組織やチームを変えていく活動を支援するとともに、社内講師として広めるツールを提供します。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

1つ目は、コミュニケーションの基本構造を知ること。コミュニケーションの基本構造を、脳科学の視点から学ぶことができます。

2つ目は、生き生きと働くことができるコミュニケーションの体験学習。様々なストレスを抱えることが多い中間管理職の方を主な対象に、体験的な学習を中心に実施し、実際の職場においても再現が可能なコミュニケーション手法を学ぶことができます。

3つ目は、社内講師へのご支援。企業の経営者様に対して、従業員が自分たちで組織やチームを変えていくための社内講師用ツールを提供します。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

AIやテクノロジーの発展によって、新たなビジネスへのシフトと既存ビジネスの効率化を同時に求められる中、組織は動きながら柔軟に目的や結果を変えていく対応が必要となってきました。ティール組織をはじめとした次世代型組織へと移行したいけど、何からはじめたらいいかわからないという企業も多いのではないでしょうか。

限られた人材の潜在的な能力やエネルギーを引き出し、活用していくヒト単位のマネジメントである次世代型組織において、従業員の健康増進と生産性向上を同時に満たす労働環境を構築させるのがNVCというコミュニケーション手法です。組織やチームの中にある怖れを克服し、個人の潜在能力とエネルギーを最大限に引き出す手法で、あらゆる形の組織に必要な根源的な手法だと気付き、多くの組織へ提供したいと考えました。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

精神障害に関する労災件数は年々増加しており、労働者のメンタルヘルスは大きな社会問題となっています。また、従業員の健康管理や疾病予防等に関する企業の取組に関して、情報開示のあり方を企業に求めるようになり、経営的視点から、戦略的に実践する健康経営が注目されています。

企業においては、従業員の疾病に対する抵抗力を高める戦略は進められていますが、人的資源政策を通じて、健康増進と生産性向上に繋がる労働環境を構築する戦略は進んでいません。

一人ひとりのコミュニケーションに対する意識を変える効果は大きく、組織としての力を強くする可能性は十分にあります。組織の中の人間関係を「支配、対立、緊張、依存の関係」から、「自由で思いやりにあふれた、お互いを豊かにし合う関係」へと変えることを可能にする考え方や話し方は、今まさに世の中が求めているものだと考えています。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

本プログラムに参加する時点では、二つの課題意識を持っていました。一つは企業とのチャネルがないこと、もう一つはNVCを端的に伝える資料がないことでした。本プログラムでのメンタリングが進むにつれ、これまで個人向けに提供してきたNVCワークショップの参加者の中に、企業人がたくさんいることに気づかされました。灯台下暗しでした。身近な仲間へのヒアリングを通して、企業の持つニーズへの理解が深まり、突破口が見えてきました。

個人事業の私にとって、KOINのメンターとのメンタリングはチームとしての機能を提供してもらうようなことで、中間ゴールの具体化につながりました。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

NVCというコミュニケーション手法の企業認知度を高めていきたいと考えています。

健康経営に取り組む企業へのヒアリングを重ねることで、企業の持つ本質的な課題認識ができてきました。これからは、中間管理職の方が自身のストレス対処能力の閾値を高めることに加え、個人のストレスの根本原因と組織的な課題とのつながりを見出し、その解決に立ち向かうためのコミュニケーションの手法が求められていると認識しています。

これを解決するために、NVCというコミュニケーションの手法を多くの企業へと届けたいと思っています。次世代型組織においても生き生きと働くことができる組織運営に向けて、NVCによるコミュニケーションの手法がどのような効果をもたらすのかを伝えられる企業経営者向けのPR資料を作成し、広める機会を設けたいと思います。

メンバーページ