筆育(ふでいく)®
──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?
ビジネスのタイトルは「筆育(ふでいく)®」。キャッチフレーズは「京都から世界に羽ばたく、自分を育む筆育」です。「筆育」は、文字を書くことを通して、自分と向き合い、心を無にして、ありのままの自分を表現する。そして、積み重ね、磨くことで自分の自信と軸を形づくる学びです。
主に子育て中のお母さん、自分に自信がない女性をエンパワーしたいという思いからはじまりました。2020年10月には商標登録をした言葉でもあります。字の上達だけを目的とするものではなく、書かれた文字から心の状態を読み解き、「書道」×「心の学び」を組み合わせたレッスンを行います。
──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?
「書くことで、心を整え、なりたい自分を叶える」ことを目的とする「一文字セラピー筆育レッスン」から、(初級編)(中級編)(上級編)夢を叶えるための「筆育美心コース」を開設しました。また、受講者から講師になるコース「筆育士(インストラクター)養成講座」や「筆育開業コース」「筆育インストラクターコース」も用意し、対象者が受講後の夢を見つけ、叶えることも応援していたいと考えています。
子育て中のお母さんが持つ「このままの自分でいいのかな?」「社会から取り残されているような不安」などの疎外感や孤独感に対して、書くことで自分と向き合い、自分に自信を身に付けたり、大人の部活のようなグループレッスンで、気づきのシェアを通して、自分のやりたいことも子育ても、自分らしい生き方を手に入れることができます。
──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?
1つ目は、子育て中のお母さんの学びの場。子どもの習い事、大人向けの習い事はそれぞれありますが、お母さんが通いやすい習い事は多くはありません。これまでの受講生から「お母さんから一人の女性に戻れて、本当に幸せ」や「子どもだけじゃなくて、自分の人生をきちんと大切にしていこうと思えた」という感想をいただいています。
2つ目は、「書道」×「心の学び」。自分の字に自信がないから、自分にも自信がない人が多くいることを受講生の感想で知ることがありました。その感想から、ただ字をきれいにするだけのレッスンではなく、今の字のよさを活かしつつ、その人自身の素敵な個性となりたい自分を叶える心のあり方も一緒に学べるレッスン内容になっています。
3つ目は、女性の自立支援。筆育レッスンの受講生のスキルアップはもちろんのこと、「筆育士」ではインストラクターの資格を、「筆育士 独立開業コース」では自分も指導者として活躍できるように、コースを通して教室開講ができるまでのサポートをしています。学びながら、経済面の自立を叶える仕組みです。
──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?
子育て中のお母さんのひとりぼっち感や疎外感の解消できる場所や学びの場所がないからです。
また、日々時間に追われた生活を送っていて、自分の気持ちを誰にも言えないまま、 一日が終わること日があり、私自身も3人の子どもを持つ母親として、そんな日々を経験していました。
自分の心や気持ちにケアをしないまま生活をすると、ストレスがたまり、心や身体が病んでしまいます。誰かのためにがんばっている人にこそ、「自分を取り戻す時間」って必要です。「私はがんばっている、そのままで大丈夫」と自分を認め、自分自身にも家族や子どもに優しくなれる場所や環境作りが必要だと思いました。
──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?
私自身が自分に自信がなく、子育てをしながらも「ずっとこのままでいいのかな?」といつももやもやしていました。ですが、子育てを言い訳に、自分と向き合うことから逃げていたのも事実と気づき、昔やっていた書道を再開。すると、この月2回の書道を通じて心を整えることができたのです。自分らしい生き方を考え、自分と向き合うことができるので必要だと思っています。
──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?
本プログラム開始時点においては、やりたいことへの思いはたくさんあるも、実現するための集客や料金設定などのコアな部分でとても悩んでいました。また、「筆育レッスン」を生徒さんにしてきましたが、まだまだ認知度は高くなく、ホームページからの問い合わせはありませんでした。しかし、4回のプログラムを通して、2人のメンターさんやコーディネーターさんのおかげで、だいぶ核心をつくものができてきたと感じております。
──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。
子育て中のお母さんや自分に自信のなかった人が、小さな世界からなりたい未来や世界を実現させていってもらいたいと思っています。
「お母さんから一人の女性に戻れた」と、感じてもらえる居場所があることを伝え、「自分の文字の変化で自信をもつことができた」と感じる体験を届けたいです。
そして、最終的に自分や周りの人を癒せる技術を身につけた「筆育士」を日本中に増やし、女性の自立と子どもたちが生きやすい未来作りに貢献することが展望です。女性の輝く未来を実現させるために活動していきます。