IDEA

餡が主役の素材屋さん

株式会社バトン
宇都 賢一
和洋菓子の製造販売を手掛けるブランドで25年に渡り販売、営業、企画、ブランディングなど様々な経験を経て、2017年株式会社バトン設立。主に菓子や観光業を中心に戦略立案、商品企画、ブランディングの領域でコンサルティングを行う。2020年3月株式会社はなみち設立。あんと菓子のブランドを10月にオープン予定。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

ビジネスのタイトルは「餡が主役の素材屋さん。キャッチフレーズは「製あん所発!お菓子のサードウェーブ 」です。

古来から日本人に親しまれた素材の小豆(あん)をテーマに、環境に最大限配慮したギフトや食べ方の提案を行い、健康的で美味しいスイーツやフードで世の中を楽しくしながら贈り物の常識を変えていく京都発のブランドです。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

「クリームより餡が好きだけど甘すぎて食べたいお菓子がない」「ひとに贈り物したいけどセンスの良いものがない」「過剰包装で環境にやさしくない」など贈り物に対する時代感覚や生活環境の変化に対し、それを満たす思想や提案をしているブランドはまだ少ないのではないでしょうか。これからの時代にあった味覚や贈り物のあり方を提案していきたいと思っています。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

1つ目は、製あん所が手がける餡とスイーツブランド。従来裏方であった製あん所が、食べ方本位の本当に美味しい餡を食べてほしいという思いから、餡が主役のスイーツやフードを提案します。

2つ目は、環境に最大限配慮した美しいパッケージや包装。多くの既存ブランドが過剰包装で豪華さを演出しているが、消費者の求める美意識や生活意識とは大きく乖離しています。私たちのブランドは簡素で環境配慮型のパッケージや包装でありながら、現代の消費者の美意識に合致するギフト、食べ方提案を行います。

3つ目は、働き方の多様性と労働環境の変革。私たちは個人としても、社会のいくつものコミュニティや文化的レイヤーに足場を持つべきだと考えています。多様な社会への多様な関わりが、私たちの経験と見識を高め、会社の発展にも繋がるはず。私たちの会社も多様な社会の一部であり、多様な働き方を受け入れていきます。また、今まで常識とされた製造の立ち仕事を、座りながらできるよう見直しするなど本当の働き方改革を行います。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

時代感覚に合う贈り物がなく、食べたいなと思うお菓子が少ないからです。

20年以上お菓子に関わる仕事をし、独立後は新規のブランドや商品の開発などに関わってきましたが、時代の変化に対して売り手側の感度は総じて鈍いと感じています。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

お菓子を中心とした国内のお土産や来日観光客のお土産需要は、大きな市場を生み出していますが、本当に美味しいお菓子は多くなく、省資源化や環境へ配慮したプロダクトデザインはほとんど見られません。大きな市場でありながら、時代の変化に対応している企業、商品がない現状は、逆に捉えれば変革の大きなチャンスだと思っています。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

本プログラムに参加時点で既にブランド骨子、プロダクトラインナップははぼ決まっており、コンセプトに沿ったものが完成されたと思っていたが、アドバイスをもとにコンセプトとプロダクトのギャップやコミュニケーションの課題を発見し修正することができました。商品名や想いを伝えるツールなど具体的なアドバイスの他、世界的な視点から企業やブランドに求められる方向性のアドバイスも大変参考になりました。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

餡を主役に「ありそうでなかった」ブランドが2020年10月に大阪の百貨店でデビューします。その次は京都市内の路面店を計画しています。ただ餡やお菓子を売るお店ではなくて、小豆の持つ美味しさや栄養面、また食べ方を深掘りしたあんのサードウェーブ(第三の波)と呼ばれるようなブランドを目指します。

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