ANNE(アン)-COFFEE and CRAFTS-
──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?
タイトルは「ANNE(アン)-COFFEE and CRAFTS-」。キャッチフレーズは「飲食を通して心を豊かに彩る店」です。コーヒーやワインを中心としたクラフト商品をカジュアルに楽しめる店舗を通して、普段社会貢献や寄付などに興味のない人たちが、飲食するだけで社会の持続可能性に寄与できる場をつくりたいと考えています。
──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?
スペシャルティコーヒーやクラフトワインなどに興味を持っている人の中には「興味はあるけど敷居が高くて入りづらい」「違いがわかるようになりたい」といった方が少なくありません。生産プロセスの違いや産地による味の違いなどをカジュアルに楽しめる店舗づくりを計画しています。
──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?
1つ目は、生産プロセスや焙煎による味の違いです。産地による味わいの違いを押し出しているコーヒーショップは多く存在しますが、同じ産地の生産プロセスや焙煎による味わいの違いを押し出している店はあまりありません。
2つ目は、カジュアルさ。スペシャルティコーヒーやワインは詳しくないと入りづらいという印象がありますし、特にワインには高価なイメージがあるので、誰でも気軽に立ち寄れるカジュアルな雰囲気が大切だと考えています。
3つ目は、クラフトドリンクを中心としたラインナップです。作り手の顔が見える商品を中心とし、物質的な価値だけでなく心が豊かになる消費というコンセプトを打ち出します。
──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?
私たちの取り組みのコンセプトを直接伝える場が必要だと感じ、実店舗を考えるようになりました。2018年から人々の心が豊かになる新たな消費の形をつくるため、タイ北部のかつて麻薬地帯であった地域で作られているコーヒー豆を卸とネットを中心に販売してきました。しかし、なかなかお客様に想いを伝えられず、自分たちの想いや価値観を直接伝えられるショールームのような場所が必要だと思うようになりました。
──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?
大量消費・大量生産の社会が長く続いてきたことで、地球環境の破壊や人権の侵害も行われてきました。そんな中、2015年には国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、日本国内でもSDGsに関する取り組みを行う企業や団体は増えつつあり、また、フェアトレード商品などの取扱数も増えてきました。ただ、まだ世の中的には認知度が低かったり、「社会貢献」というハードルが高かったりします。飲食を通じて楽しみながら社会に良いことができる仕組みをデザインし、社会課題に対して誰もが関わることができるファーストステップの場にしていきたいです。
──アクセラレータープログラムに参加したことで、どのような成果がありましたか?
すでにコーヒー豆の輸入・販売という部門で事業を進めていたため、それに伴った店舗展開というところで、場所や家賃、メニューなど実際の店舗運営についてのアドバイスをいただこうと考えていました。本プログラムが進むにつれて、ディテールの部分ではなく、もっと根本的な自分たちのスタンスやコンセプト、表現したいものについて深掘りすることができ、店のイメージをより鮮明に描けるようになりました。
──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。
創業以来、ネットショップやイベントでの出店・販売を通じ、知名度の向上や販路の拡大を目指してきました。品質や目指すビジョンに関しては概ね評価をいただきましたが、購入に至るまでのチャネルとしてはネットショップがほとんどであり、消費者の方に直接商品を届けられる場を設けたいという想いから実店舗の構想に至りました。「人々のココロを豊かにする新たな消費の形を提案する」というスローガンのもと、飲食を通じて作り手のこだわりを伝え、生産者も消費者も心豊かになる新たな価値を提案する場を作っていきたいと思います。