IDEA

QUEST DRIVEN

希望結社ツクラム
西森 寛
「世の中からミスマッチをなくし、可能性と選択肢を広げていく」ことを目標に、一人ひとりが希望に満ちた存在となり、ともに夢を実現・応援できる世界を実現するために、2016年創業。テクノロジー×ワークショップによるチーム教育コンサルティング、スクール事業に取り組む。山や森に出没しつつ、最近はインターネットラジオ番組でパーソナリティーも務める。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

ビジネスのタイトルは「QUEST DRIVEN(クエストドリブン)」。キャッチフレーズは「探究心に火を灯し、君の物語を紡ぐ旅のはじまり」です。

一人ひとりの探究心に火をつけ、“夢中になるもの”に出会い、それを発表する機会を提供します。リアルとオンラインの場を行き来しながら、自ら考えて動ける力と、地域から世界へと幅広く活躍できるグローカルなスキルとマインドを身につけることを目的としています

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

の事業は、小・中学生の子どものいる保護者、子どもたちを応援したい人が抱く「夢中になるものを見つけてほしい」「どんどんチャレンジして、できる事を増やしてほしい」という願いを叶えるものです。小・中学生が少なからず抱く「好きなことも、嫌いなことも安心して表現できる居場所がほしい」「もっといろいろなことに触れてみたい」「自信を持ってやりたいことに取り組めるようになりたい」などの希望に対して、ナビゲーターやサポーターとともに、企業や団体、様々な分野の大人たちから提示されるクエスト(課題やミッション)に伴走してくれるチーム型のスクール(学び舎)を目指します

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

1つ目は、ミッション達成型の夢中になる仕組み、一人ひとりの目的や目標へ向かう学習デザイン
自分を知ることをねらいとしたオリエンテーションを経て、それぞれのステージへ移行します。3ヵ月から6ヵ月を1ステージとしたクエスト(問いや課題)に応じた1回につき1つのミッション達成を目指します。あるレベルになれば、最後のセンバツ!ステージや他のステージにチャレンジでき、一人ひとりの達成度や興味関心に合わせて、楽しみながら取り組めます

2つ目は、一人ひとりの興味関心にコミットしたチーム教育
校の教科科目から始めるのではなく、まず自分を知ることから始まります。グループワークを通じて、お互いの考えや価値観を共有します。また子どもたちと関わる大人たちは、性格情報データベースと独自のアルゴリズムによるAI個性診断ツールを活用して、その人のもつ強みや行動特性を活かしたチーム教育を実現します

3つ目は、学びを社会に還元するオープンバッジによる学びの証明
エストドリブンの最終ミッションは、自分の興味や好きを授業として、プレゼンテーション(発表)すること。オープンな場で評価し、私たちがその学びの軌跡をきちんと保障します。学習証明としてのオープンバッジを取得でき、今度は、クエストマスターとしてコミュニティ内でクエスト提案や授業実施、プロジェクト活動などを通じて、さらに社会へと接続しやすくすることを目指しています

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

存の教育ビジネスをとらえ直すそんなチャレンジをしていきたいと思っているからです。特に、受験勉強となると、「学ぶ」って本来楽しいことなのに、ただひたすら覚えることや、成績を上げるためだけの辛い勉強になってしまいます。これは単に保護者側も、変化に気づいていない、知らないからだと思っています。子どもたちからよく「〇〇していいの?」という言葉を聞きます。人からのOKがないと動けないということではなく、もっと自分のなかにある好奇心やおもしろそう!を素直に心の原動力にしていくことが大事だと考えています

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

本の高校生の自己肯定感が低いこと、若年層の自殺率が増加していること、小・中学生の不登校者数が年々増加していること、少子化のなかで一人あたり教育費は増加傾向ということ。これらは、すべてSDGsの基本理念である「誰一人取り残さない社会」が実現できていないことにつながります

目的もなく進学することだけが目標となったり、ある指定された時期とタイミングの試験や成績評価で将来への選択を限定してしまったり、前述のような社会課題が起こらないようにしたい。そのためには、義務教育期を終えた時点で、「自分の学びを楽しめる」「希望を抱き社会で自分らしく生きていける」チカラを子どもが身につけられないか?そして、常に変化していけるスキルとマインドを身につけ、自らキャリア形成していくことができるようにならないか?という考えに至りました

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

始時点では、もやっとした構想はあっても、どうアプローチして、どう具現化していくかが不明確で「自分たちは今やれることからやっている」という状態から抜け出せずにいました。そこで、現状の困っていることをそのまま話し、皆さんからの意見やアイデアに耳を傾けながら、アドバイスをいただくことで固定観念にも気づくことができました。

また、どう実現するか?そのために何を準備し、何を共有したらよいのか?など、一つ一つ明確にして取り組むことができるようになり、本プログラムが進むにつれて、スクール名の変更、カリキュラムの整備、募集要項の作成と次のステップへ進む下準備もできたと思っています

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

人ひとりの可能性を応援する民間教育プラットフォームになるために、まずはオンラインスクールをオープンします。試験のための勉強ではなく、学びの本質に触れ、どこにいてもその人らしく、幸せを実感できる基礎を、子ども時代にこそ大切にしてあげられる場を築きます

また、本プログラムを通して、学校と家庭教育における課題や難しさ、複雑さを再確認できました。両者を橋渡しできることが民間教育の強みと捉え、より良い教育サービスを提供するためには競争でなく、お互いのリソースや強みを活かしながら、共に創造する方向へとシフトし、一人ひとりの希望や夢につながるソーシャルビジネスにしていきたいと思うようになりました

メンバーページ