IDEA

Read

近畿大学附属高等学校 2年
田中 海哉
2002年生まれ。中学校の時、生徒会会長を務め仲間と力を合わせる楽しさ・自らの手で新しいものを作り出すことの面白さを発見し、革新的な近畿大学附属高等学校に進学。ノーリツ鋼機会長西本博嗣氏等、近大出身の経営者などとの出会いにより、サラリーマンで働く道だけでなく経営者になり、様々な人の笑顔につながるサービスを提供したいと思うようになる。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

タイトルは「Read」。キャッチフレーズは「ぜいたくな本の時間をあなたに。」です。

Readは、電車を使っている人々に新しい本との出会いと本を読むぜいたくな時間をお届けします。昨今、スマホ等のデバイスの台頭により仕事とプライベートの境界線すら曖昧になっています。なかなか自分の時間を確保することが難しい現代のサラリーマンに、デバイスから離れて活字の世界を味わいリフレッシュしていただきたい。そんな思いから駅の中に本棚を置くことによって、より身近に簡単に本を手にとっていただくサービスを考えました。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

忙しい現代の人々は、本を読みたいと思っても時間がない。図書館は仕事が終わると同時に閉まってしまうし、本屋に行く機会もなかなかない。それでも、本が読みたい。そんな声に応えるために、このサービスは電車のプラットホームに本棚を置くことによって、電車を利用するすべての人に本との出会いを生み出す全く新しいサービスです。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

1つ目は、駅構内にあるという便利さ。駅の中にあるので駅を理由する人なら誰でも、空き時間に使うことができます。

2つ目は、興味がある本をリスクなしで読めること。新しいジャンルの本を読みたいと思ってもなかなか踏み出すことができない。Readでは利用者は無料で使うことができるため、出費なく知見を広めることができます。

3つ目は、触れることの少ない自費出版の本も網羅していること。自費出版の本のPRによって収入を得ていくため、出会う機会がなかなかない本の読む機会も提供します。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

私は高校に入ってから、電車で約1時間かけて通学するようになりました。電車ではふとネットサーフィンをしてしまうことも多く、もっと有意義な時間の使い方はないかと考えていました。幼少の頃、本を読んで過ごした時間はとても有意義であったと記憶に残っています。また、「本を読むとはぜいたくな物である」と話して盛り上がることもありました。自分だけでなく沢山の人がそう思っていることに気づき、「忙しい毎日にこそ彩を」と思うようになり、この事業を考えました。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

いま、紙の本が売れなくなっています。実際のデータでは紙の本は減少していますが、一方で電子書籍は年々セールスを上げています。本を読むという体験は世の中からなくなっているわけではありません。その中で売れるのはトップセールスの本ばかりであり、幅広い本と出会う機会はなかなかありません。そんな時代の中で、形があり偶然の出会いを期待できる紙の本にもう一度注目しました。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

私は現在高校2年生で、ビジネスに興味があったので日々さまざまなアイデアを書き連ねていましたが、もっとビジネスの組み立て方について学び、実際に世の中に通用するようなものを作りたいという思いからプログラムに参加しました。今回コーディネーターの方々のお力添えによりアイデアの質が上がりました。これからは実際に行動し、戦略のズレを調節しつつ実践します。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

ここでしかできない体験を提供できるように努力していきます。電車の混雑回避の助けになるように置く本のジャンルを変えてみたり、高校生ならではの発想で企画を考え、友人と協力してフェアをやるなどを考えています。また、自費出版の本を出す会社にも働きかけていきます。駅に対しても良い効果が出るように、主に心理学的な方向で工夫もしていきたいです。本を拡充していくために、収益源やスポンサーをもっと探していき、電車を使う全ての人々に読書の楽しみを伝えていきたいです。

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