IDEA

yes, own cup project

WEEKENDERS COFFEE Re事業部
河合 資
フリーランスで複数の事業に関わりながらオーストラリアと京都を行き来する生活の中で、WEEKENDERS COFFEEよりゴミ削減のためのタンブラー制作を依頼される。カップのデザインや利便性だけでは課題の解決にならないと考え、日常に馴染む形での環境アクションを提案し「yes, own cup project」を立ち上げる。

──現在考えられているビジネスとその目的はどのようなものでしょうか?

ビジネスのタイトルは「yes, own cup project」。キャッチフレーズは「捨てずに返却する、これからのコーヒーのためのカップ。」です。

「yesカップ」はコーヒーを気持ち良く飲むためにデザインされたリユースカップです。繰り返し使用する事でゴミを減らせるだけでなく、ユーザーがどのカフェでも返却可能な仕組みをつくることで、お店の枠を越えたエコでローカルなコミュニティを生み出すプロダクトです。

 

──具体的な事業としてはどのようなことを計画されているのでしょうか?

コーヒー提供者が日々考える「ゴミの削減」というこれからの時代に必要な経営課題や、嗜好品としての「コーヒーの楽しみ」。良質なコーヒー豆のための環境づくりを目指しデザインされた「yesカップ」を使っていただくことで、心から気持ちの良いコーヒーライフを届けていきたいと考えています。

 

──ビジネスアイデアの特徴を3つ上げるとしたら、どんなところでしょうか?

1つ目は、コーヒーのためにデザインされたリユースカップ。コーヒー本来の味や香りを楽しむための工夫と、洗浄を楽にするパッキンやスリーブのないシンプルな構造により、使い捨てカップでは得られないコーヒーの魅力を発見できます。そして、何より楽しむことが継続した環境アクションに繋がります。

2つ目は、カップを捨てずに返却する仕組み。使い捨てカップに代わり「yesカップ」でコーヒーを受け取ります。その際に預かり金として一定の金額をデポジットします。カップ返却時には同額が返金されます。全ての加盟店舗で返却・返金ができるようになります。

3つ目は、エコバッグならぬ「エコカップ」。「yesカップ」はいつでも近くのカフェに返却できるため、常にカップを持ち運ぶ必要がありません。一方、そのままマイカップとして日常的に利用することも可能です。エコバッグやノベルティトートバッグの様に、各地のオリジナルカップからお気に入りを見つけて欲しいです。

 

──なぜこのビジネスアイデアを実現したいと思うようになったのでしょうか?

高価なタンブラーや使い捨てのカップではなく、これからの日常に合わせたリユースカップが必要だと考えています。

かねてよりWEEKENDERS COFFEEにてプラスチックゴミ問題解消のための活動を行っており、店舗で利用するためのリユースカップの準備を進めていました。その中で、世界中のカップやタンブラーもリサーチしました。しかし、価格やデザインだけでなく素材やリサイクルの仕組み等も選定の基準としながら、いくつかの製品を自分自身でも使用もしてみましたが、理想とするカップには出会えませんでした。

検証の結果から、コーヒー業界に必要とされる製品やブランドのイメージが整理できたため、オリジナルプロダクトの製造に向けて舵を切りました。

 

──なぜこのビジネスが今必要だと考えているのですか?

近年の世界的な脱プラスチックの流れから日本は大幅に遅れをとっています。例えば、使い捨てのコストを上回るカップ洗浄コストや、 生活の中でマイカップを持ち運ぶ煩わしさ、レジ袋は有料だがカップは無料であることなど、さまざまな理由が考えられます。そんな環境意識が高まらない日本の仕組みを変えるために日常的にできる活動、それが「yesカップ」です。

 

──アクセラレータープログラムに参加した時点での課題意識と、参加した上での成果はどのようなものだったでしょうか?

本プログラム開始時点においては、プロダクトの製造の流れをつくるのと同時に、リユースの仕組みを組み立てるために、プロジェクト内容の整理をする必要がありました。KOINコーディネーターのフォローアップにより、クリアすべき課題や要件が明確になり、プロジェクトを確実に進められる土台ができました。

 

──ビジネスアイデアの実現に向けて、これからの展望をお聞かせください。

リユースカップがコーヒーの未来をつくる。まずはWEEKENDERS COFFEE を中心に検証を兼ねたスモール展開をスタートし、その後全国に広げていきます。「yesカップ」が返却可能な全国の店舗をひとつにマッピングすることは、環境意識を軸にしたコミュニティの構築を意味します。国内約4.5万店舗の個人経営のカフェや喫茶店がカップ回収拠点になって形づくられるリサイクルコミュニティが、私たちの目指すコーヒーの未来に繋がると考えています。

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