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個性をいかすことは自分と他者を大切にすること〜オトナの自己分析〜 | 10/19 開催イベントレポート

WRITER : 北川由依
PHOTO : 北川由依

自分らしく働ける場所はどこだろう?
スタッフにいきいき働いてもらうにはどうしたらいい?

そんな悩みを解決すべく、「オトナの自己分析 ~超パーソナライズ経営論から学ぶ令和時代の幸せな働き方とは?~」が、10月19日に共創の場「KOIN」で開かれた。この日集まったのは、35歳以下の若者23名。ゲストのお話を伺ったあと、個別で自己分析アドバイスを受けられるスペシャルな時間となった。

「僕がやっているのは飲食業じゃない。教育業だ」

この日講師を務めたのは、株式会社utuwa代表取締役の中島健介さん。料理ができないにも関わらず飲食業界に飛び込み、今や4店舗経営するオーナーだ。

中島さんは大学4年生の時に働いた「居酒屋てっぺん」という店に惚れ込み、飲食業界に入った。そして29歳の時、居酒屋で独立した。

店舗展開しているが、一つとして同じものはない。京町家でおばんざいを提供する「おうちごはん中島家」。日本酒唎酒師の女性店長と、オーガニック料理ソムリエの女性料理長が切り盛りする「京町家 おばんざいこはく」。和食好きのスタッフが古き良き日本を再現する「お出汁とおばんざい musubu」。10月にオープンしたばかりの立ち飲みスタイルのポンハイ&アテまき「nyoi」。スタッフの個性をいかしたお店づくりをしてきた。

株式会社utuwa代表取締役の中島健介さん

料理ができないにも関わらず、中島さんはなぜ飲食の道に進んだのか。

「人が楽しく、輝ける空間をつくりたかったからです。僕がやっているのは飲食業ではなく、教育業なんですよ

大学生の時、たまたま飲食業に関わるきっかけがあったから今があるが、「人が輝ける空間をつくれるなら、飲食業じゃなくてもよかった」と中島さんは言い切る。

utuwaが運営するお店によく行き、旧知の友でもある株式会社美京都 代表取締役の中馬一登さんは、お店の印象をこう話す。

「全店舗、いつ行っても流行っているよね。スタッフがいきいき働いていて、元気。楽しそう。それが心地よくてリピーターが多いから、新規のお客さんが来なくてもお店が成り立っちゃう」

株式会社美京都 代表取締役の中馬一登さん

その背景にあるのは、本イベントのテーマにもなっている「超パーソナライズ経営」が実践されているからだと、中馬さんは続ける。

「中島さんは、研究オタクなんですよ(笑)。あらゆるツールを使ってスタッフの個性を分析し、経営にいかしている」

個性学の結果をチームづくりに採用

人が楽しく、輝ける空間をつくるため、「超パーソナライズ経営」を実践する中島さん。しかし最初から、自分なりの成功法を知っていたわけではない。

「飲食業をやる以上、初めは頑張って料理上手になろうとしました。でも、できなかった(笑)料理を作ることは好きではないから、たとえ努力しても人並みにしかなれないだろう……。それなら料理人に任せよう、と決めました。僕は人の特徴や個性をいかすことが大好きだから、スタッフの個性をいかす環境づくりに専念しようって」

人がいきる方法を模索した中島さんが辿り着いたのは、個性学だった。

「個性学は、生年月日を入力するだけで、一人ひとりが自分の個性をわかるツールです。他にもさまざまなツールを試しました。なぜかはわからないけれど、個性学の精度が最も高かったんです」

苦手なことはしない。得意なことを伸ばそう。中島さんは、共に働くスタッフにも個性学を受けてもらい、チームづくりにいかすようになる。

「例えば、ミーティングで評価される人は、話し合いを良い方向に進むよう声かけができる人や、ファシリテーションが得意な人ですよね。後ろで、腕を組んでむすっとした顔で座っている人は、評価されません。でも、マイクを持っていくと、ズバッと意見を言ってくれたという経験をしたことはありませんか?

腕を組んでいる人は、ずっと観察して、クリティカルな答えを考えているんですよね。一人ひとりの個性を知っていれば、価値を引き出せるし、仕事がしやすくなるんです」

個性を発揮することは、居心地の良さに繋がる

中島さんの話を聞いた後、質疑応答に移った。起業に関心ある学生や経営者は、どのようなことに興味を持ったのだろうか?

──個性学の分析結果は、スタッフにも伝えていますか?
「伝えています。会社では月1回、個性学の研修を実施し、スタッフにも基礎知識を伝えて、仕事でいかしてもらっています」

──個性を知っていても、イラっとすることはありませんか?
「ありますよ(笑)得意を発揮することも、苦手を補おうとすることもどちらも大切です。経営者が、アイデア出しは得意だけど、財務は嫌いと言って、経理を見なかったら会社はおかしくなりますよね。苦手なことを言い訳にしてはいけません。わかった上で、個々がどれだけ努力するかがポイントです」

──多くの会社が、個性学をいかしていないことについてどう思いますか?
「勿体無いですね。全員が個性を出し切っているのか、それとも我慢してみんな50%の力しか出せていないのかで、組織としてのエネルギーは全く変わってきますから」

──採用時のポイントはありますか?
「弊社は創業から7年間、採用費はゼロです。なぜなら、面接に来た人は基本採用するから。採用してから個性学をもとに、会社に合う合わないを見極めていきます。そもそも離職率が低いので、山のように応募が来なくてもいいんです。個性をいかせる職場があれば、人は大切にされている実感をもち、長く働き続けてくれますから

参加者の個性を診断!自分らしい働き方を見つけよう

ゲストトークと質疑応答を終えて、中島さんによる個性学診断会が開催された。まさに就職活動中で自己分析に悩む学生。スタッフの採用に悩む経営者。それぞれが抱える悩みを生年月日と共に伝えた参加者に、中島さんはじっくりと個別相談に乗った。

中島さんの個別相談を終えた参加者の顔は、皆晴れ晴れとしていた。

「生年月日から、悩んでいることの対応策をズバリ言っていただけて驚きました」「今後は起こりうるトラブルに、事前に対処できそう」と参加者からは喜びの声が聞こえた。個性学がチームづくりや人間関係に有効であると実感した参加者は、多かったのではないだろうか。

一緒に働く仲間がお互いの個性を知ることで、仕事のパフォーマンスが上がり、いきいきと働けるとしたら、毎日はもっと楽しくなりそうだ。

個性をいかして働くことは、自分を幸せにするだけではなく、一緒に働く他者も大切にすることに繋がる。慌ただしい日々の中、一度足を止め、オトナの自己分析から自分に合った仕事の仕方や働き方を考えてみてはどうだろう。

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