第1回KOIN塾 開催レポート
今年度のKOIN塾は、自分の成長を加速させる「セルフコーチングプログラム」としてスタート!あっという間に満員御礼となった第1回が8月6日にKOINで開催されました。
今回は「マーケットシフト(社会を知る)」をテーマに、今年度も講師を務めるmy turn理事/ディレクターの福冨さん(トミーさん)の講義から始まりました。
変化する社会で求められる「変化適応力」
冒頭でトミーさんが投げかけられたのは、「これからは”気づける人“が活躍する時代」だということ。自分のこと、他人のこと、そして世の中のことにどれだけ自覚的でいられるか。「売り手よし、買い手よし、世間よし」を信条に商いを行なっていた近江商人と同じだと言います。世界経済フォーラム(ダボス会議)でも注目されている日本のフェアの精神こそ、現代社会に求められているというのです。
そして、柔軟な考え方と情熱に加え、「変化適応力」のスキルを掛け算していくことが、変化する社会で生き抜くために大事になるのだと。たとえば、”経営の神様”と言われる松下幸之助さんは、たとえ不景気でも変化のチャンスと捉え、失敗したとしても次に進むための気づきの機会と捉えました。
現象にとらわれず物事の本質を見極め、自分や会社の成長につながる「解釈力」が、真のイノベーション=価値創造活動を生み出す源泉となるということ。早速重要なメッセージを投げかけながら、本題の「社会を知る」に移っていきます。
大きな流れの中で社会の変化を掴む
先の見えにくい予測不可能なVUCAと呼ばれる時代、世界はどのように変化しているのでしょうか?新型コロナウィルスや紛争・戦争など、社会を取り巻く環境が変化し続ける中、気候変動や生物多様性の喪失といった地球環境問題を含むグローバル危機に加えて、企業や個人にとっても柔軟な対応や働き方が求められているとトミーさんは説明します。
場所や時間にとらわれず、働く人々が個々の事情に応じた多様な働き方を自分で「選択」できるようにするための「働き方改革」や、進化し続けるテクノロジーで人々の生活をより豊かにするための「デジタル変革」はその表れ。さらに社会のデジタル化が進展していくに従って、これまで手段と位置付けられてきたDX(デジタルトランスフォーメーション)も、ビジネスモデル、社内の業務フローや組織カルチャー等のすべてが、デジタルを前提として組み立てられていくそう。表面的なキーワードの理解にとどまらず、本質的な意味の変化を捉えることが大切になってくることを実感します。
世界的にも国内でも見直されている「新しい資本主義」も、成長と分配の好循環を創っていくには、「人への投資」を強化する流れがあり、個人の価値を最大に発揮することで組織の価値を高めていく「人的資本」、社会人の学び直しを推進する「リカレント」、仕事をしながら必要なスキルや技術を学ぶ「リスキリング」といった、人の能力や価値にフォーカスが当たるようになってきていると、新しいキーワードの解説が続きます。
社会の変化を掴んだ上でどう選択するか
社会の変化について新しいキーワードなど多くのインプットを受けて、会場からは、様々な感想が共有されました。
- これからの日本が過去のように右肩上がりの世界を目指すのかを考えたとき、ともに創る方にシフトしていくのではないかと思う。海外で進められているように、多様性を知った上で認め合うダイバーシティ&インクルージョンが大事では。
- 会社という組織の中にとどまっていると凝り固まってしまうので、広い世界を知って柔軟に適応していくことが大事だと感じた。仕事上のタスクばかりで自分自身に目が向けられていなかったと気づいたので、余白をつくっていきたい。
- 学生の立場でまだ社会に出ていくことに対して実感が湧かないが、KOIN塾の参加者との対話を通して自分自身を掴んでいきたいと思った。
こころの豊かさをベースに
働き方や人々の価値観の多様化とともに変化していく社会の中で、社会人や学生などの立場にかかわらず、よりよく生きていくには何を軸にしていけばよいのか。他者や世の中に対してはまだ想像がつきやすいものの、自分に対して自覚的になるにはどのようにしたらよいのだろうか。
参加者の中に自然と湧いてきたであろう、そんな問いに応えるように、そして次回に続く伏線として「社会の変化を掴んだ上でどういう意思決定をしていくのか。自分を活かして生きるためには”こころの豊かさ”をベースにすることが大事」という言葉で締め括られた今回のKOIN塾。
組織の中でも従業員の幸せやwell-being経営が語られ始めた時代。次回のKOIN塾は「自己に意識を傾けること」から始める“セルフアウェアネス”がテーマです。次回のレポートもどうぞお楽しみに!