【U35起業家育成プログラム】カラフルワークな働き方と実践の仕方を考える
生き方や働き方が多様化し、選択肢が広がった一方で、社会や企業の仕組みが抱える課題は決して少なくはありません。
そのような中でも、「わたしらしく働く・活躍できる」ためのポイントを整理し、今日より明日がわたし色になるためのヒントを見つけるトークセッションを行いました。
オープニング
―タイトルの「カラフルワーク」は、「わたしらしく働く」に十人十色という言葉のエッセンスを取り入れてアレンジした言葉です。どうすればカラフルな働き方を叶えることができるのか、ゲストのお二人と一緒に探究したいと思います。
―ゲストの中村さんは、学生時代から「キャリア」に興味を持ち、自分とその人生に向き合い続ける探究者。これからの生き方や働き方にフォーカスした取り組みやイベントを立ち上げるなど、人生を掘り下げる機会を提供されています。
―同じくゲストの林さんは、子育てもしながら働きたい女性をサポートするサービスやプロジェクトを実施する、女性の働き方をより良くする活動の実践者。仕事も子育ても実現できる社会を目指して活動されています。そんな中村さん、林さんに、「そもそもわたしらしさとは何か」から訊ねてみたいと思います。
「好き」を分解した先にある「わたしらしさ」
―「わたしらしさ」とは、どうやって見つけていくものだと思われますか?
林:自分という「色」を見つけることですね。それは自分の「特徴」や「個性」、「得意・不得意」を知ることでもあります。何が好きで、何が得意なのか、それぞれを深掘りし、好きなことや得意なことを分解していくことで、わたしらしい色が見えてくると思います。
私の場合だと、前職は営業職で、その仕事が好きでした。ところが、今は女性の働き方支援を行う全く別の仕事をしています。
今の仕事を始めたとき、自分の好きな仕事と違うなと思っていました。でも、「自分の好きな営業の仕事」を分解して考えると、人に何かを提案し、喜んでもらえることが好きだと気づいたんです。そして、それは今の仕事にも繋がることだと分かった時に、この仕事はわたしのための仕事だと思えるようになりました。
―なるほど、自分の好きなことを分解・理解して、目の前の仕事に繋げて再解釈する。そうすることで、自分のための仕事として意識を変えることができるのは大事なポイントですね!
林:そうですね、その特徴(=らしさ)を仕事に活かすことで、わたしらしい働き方にも繋がりますね。
―わたしらしさと仕事は繋げることができる。この視点は大事ですね!一方で、特徴には強みや得意だけでなく、弱みや不得意なことも含まれると思うのですが、どうすればそれらも仕事に活かすことができると思いますか?
強みも弱みも自分らしさ
中村: たとえば、ネガティブな経験も自分の魅力、チャームポイントに変換することができます。「〜〜が苦手」とか「〜〜で失敗した」ということは、同じような人の気持ちがわかる強みに変わります。強みも弱みも、望む方向に変えることで、自分らしく働くことに繋がると思います。
なので、強みだけが自分ではなくて、弱みなどネガティブなことも含めて、大事な自分のカラーとして受け止めることがいいと思います!
―ついつい、弱み=ダメな自分 だと思ってしまうのですが、全部「わたし」ですからね。それらも受け入れ、弱みも活かすことができないかと考えることが大事だと感じました。
中村:あと、自分がビジネスシーンで発揮できる、どんな力を持っているかを知ることが大事ですね。自分が活躍できる場や仕事内容、社内での役割が見えてくると、自分らしくいられる場を選べるようになると思います。
―自分を知り、自分とマッチする場を探すことから、わたしらしい働き方が生まれるんですね。
林:また、弱みを強みに変えることは、「自信」を持つことにも繋がります。
産休から仕事に復帰する女性が、ブランクがあることや、時短勤務でしか働けないなどの事情から、仕事に対しての自信がないと仰ることも少なくありません。だからこそ、弱みを強みに捉え直して、自信を取り戻せるような環境が大事だと思います!
―「育休期間があったから、〜〜〜ができる!」ということが増えていくといいですよね!
林:小さな成功体験を重ねることや、周りの人からアドバイスやエールがもらえるようにすることもポイントだと思います。
私も仕事のことで落ち込んでいた時に、同僚の方に「大丈夫、菜摘ちゃんらしくでいいんだよ!」と声をかけてもらうことがあり、その一言が本当に嬉しくて「このまま頑張ったらいいんだ!」と、やり遂げるエネルギーに変わりました。
―アドバイスやエールをもらえると、確かに自信に繋がりますね!そうした言葉をかけてもらうために意識していることはありますか?
林:自分が今どんな状態なのかを知ってもらえないと、そうした言葉は生まれないと思うので、周りに自分のことをオープンにして、今の気持ちや状況を伝えることが大事だと思います。
中村:あと、自分のことをオープンにできる場を、職場だけでなく、家庭や他のコミュニティーなどに広げると、自信を持てる場が増えていきますね!わたしを見て、知っていただき、そしてお互いにワクワクできる。皆さんもそうした場がないか探して、つくってみてください!
活躍の場は自ら作り上げていく
―わたしらしく活躍できるために、自分らしさや自分の色を出しやすい「人」の存在が大きいと感じたのですが、どうしたらそうした人に出会えると思いますか?
林:偶然の出会いもあると思いますが、自分のために自分らしさを出してみる、自分のことを相手にオープンにしてみることが近道だと思います。
中村:私もそう思います。ただ、自分の色を出すことで、相手にどう思われるのか気になる人もいると思います。そんな時は、相手にも自分の色を出してもらうことがポイントになります。
たとえば、まずは自分から「わたしの話」をしてオープンになり、それから相手にも自分のことを話してもらう。「私も話したから、ちょっと話してみてよ!」といった、自分も相手も素のままで分かり合える関係の構築を目指しましょう!
あと、自分の色を出しても大丈夫な人かどうかを見極めるという意味で、「人生経験が多い」「挫折した経験がある」方は、受け止めてくれやすいと思います。
大切にしたいものは、大切にしたい人と共有して守る
参加者からの質問)自分らしく働くことを追求しながら、大切な人と時間や関係も大切にするにはどうしたらいいと思いますか?
林:何を大切にしたいか、何をお互いにに望んでいるのか、または望んでいないかなど、私と大切な人との「希望と期待」を共有することだと思います。そうすることで、お互いの期待に応えられて、そのための「許容」が生まれるんです。
「パートナーが仕事で忙しいけど、今は仕事も大事にしているから納得できて、帰りの時間が遅くても応援できる」というような感じですね!
中村:私は「人生グラフ*」を使って、自分の幸せは何に影響を受けているのかを大切な人と共有しています。そうすると今と未来で、どんな幸せを一緒に増やしていきたいかを話し合えて、二人の大切にしたいことが生まれるんです。
「何のために、何をするのか」を大切な方とシェアするだけで、わたしらしさも守りながら働けると思います!
*自分の人生の幸福度や充実度をグラフにして可視化したもの
―最後に、わたしらしく働くために、これから探究したいことを教えてください!
中村:私は、自分らしい生き方や働き方をもっと話し合っていきたいです。働き方をテーマにした話はそれぞれが抱える事情もあり、話しにくい雰囲気になることも少なくありませんが、だからこそ、みんなで自分らしい働き方を模索していく取り組みは重要だと思います。
林:私は「一人一人に合った正解」をもっと聴いてみたいです。一人一人の幸せが違うように、自分に合った働き方も一人一人違うと思うので、そうした自分らしい働きとは何かを一緒に考えてみたいです。
―お二人ともありがとうございました。わたしらしく働くために、どうしたらいいかを絶えず問い続けることが大事だと教えていただきました!
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中村 千波さん
株式会社ツナグム
1992年京都生まれ。学生時代から「納得できるキャリア形成」に興味を持ち、NPO法人や京都の企業、大学等と協働しキャリアイベントを企画。卒業後、㈱リクルートで人材紹介の法人営業を東京・大阪で7年強経験した後に、1年前に京都へUターンし株式会社ツナグムへ入社。歌と自然と対話が好き。
林 菜摘さん
株式会社ウエダ本社 いろどるチーム
はたらく環境の総合商社であるウエダ本社内で、女性の働き方を扱うutenaworksを担当。特に子育て中の方を対象に、「仕事」か「子育て」のどちらかではなく、どちらもあきらめずに実現するためのサービスやプロジェクトを企画・運営。京都出身、京都在住。
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